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いらっしゃいませ
 
プロフィール
HN: ペンギン1号
自己紹介:
小論文の添削は、解答例はあっても、実際は書き手の考え・経験・テーマによって個別の対応をしなければならないので、「うーん」となることが多い。しかし、事務的に添削を仕上げず「うーん」と考えるところがまだフレッシュマンだなあなんて、自分の青さに苦笑したり。
ちなみに、ブログは論文じゃないのでチカラ抜いて書いてます。文法や言ってることが乱れちゃってることも多いですが、仕事のときはちゃんとやってますのでご心配なく。
どんな解答用紙であれ、解答者は高いカネを払って受験してるんだから、それに見合った赤ペンを入れて返してやらなきゃいけないと思う。そうするとぜんぜん採点料に見合わない出血大サービスになっちゃうんだけどね。( TーT)
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採点は解答者とのバトルである。日々襲い来る珍答・難解文字群・大きなカンチガイ・人生について考えさせられる答案と戦い、罵倒することなく、また苦情を受けることなくマチガイを正すことは、職業として経験しなければわからない、毛が抜けそうな難しさなのである。守秘義務のために誰にも話せない苦労を抱えた同業者の皆様、ここで語り、嘆き、苦しみと笑を分かち合いましょう。穴に向かって叫んだ王様の床屋のように。そして受験者はこっそりこれを参考にするといいさ。
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おいしい鍋を作るには
「違う文化圏の人と接する際に気をつけなければならないこと」を尋ねる問題に、片っ端から「英語(外国語)がしゃべれること」と答えてくれた。

質問の意味の取り違えである。

どんな気配りが必要かを訊いているのであって、
どんな道具が必要か聞いているわけではない。

この答え方は、結局、

「おいしい鍋を作るにはどんなことに気をつければいいですか」
という質問に
「鍋とコンロが必要である」
と答えるのとあんまり変わらない。
もしくは
「料理のうまい人を呼ぶのがよい」
という答え。

極端に言うと、

そう、こんな答案を30枚近くも見せられたわたしの気持ちをいうと、

「いまなにしてるの?」
「息。」

という会話くらいむかつく。
バカにしているのかと叱ってもいいぞと思う。
(私は叱らないけど。叱るのは仕事じゃないから)


模範的な答案はたぶん、
「習慣の違いによる誤解を防ぐこと」
「宗教上のタブーに触れないこと」
「人種や民族の問題に気をつけること」
「あいまいな言い方や中途半端な自己判断をしないで、はっきり意見を伝え合う」
等を扱ったものだと思う。

日本人は、もともと自然崇拝の民族であるせいか、それとも仏教の自然体な教えのせいか、あまり信仰心に篤くない。
結婚式はキリスト教会でやったのに、死んだら仏様になる人が沢山いる。
初詣に神社に行くか寺に行くかも、気分次第。
そんな感じだから、外国人の宗教上の生活習慣にも疎い。
たまに入国管理局で収容した外国人の食べ物のことで、外国人保護団体からお叱りを受けたりしてるし(たとえば、肉は鳥だけしか許されないのに牛肉出しちゃったとか、そういう間違い)、祈りを捧げる時刻に休憩時間を上げなかったりとか、こっちは知らないで済ませたいのに人権問題になっちゃうことが多いのだ。
また日本で「わたしベジタリアンだから」と、レストランで堂々と肉食を拒んだら「何この女?わがまま?」って感じで見られちゃったりするけど、米国あたりではそんなの結構当たり前。一緒に食べに行く人もちゃんとその辺は考慮する。ていうか、ベジタリアンに肉料理を出したら、怒られちゃったりする。知らないことは失礼な行為なのだ。

まあそういう、双方悪気はなくて当たり前のことをしてるのに、相手はすんごい不服を感じるという例を出して論じればいいわけだ。

だけど、それって、そういう日本と外国の違いを知ってなきゃ思いつかない。せいぜい家で靴脱ぐかとか、食事のマナーとか、普通の高校生の思いつくことといえばそのくらいである。

で、
「英語がしゃべれることが大事です」
となる。


ここで一ひねり。
英語しか思いつかない場合の逃げ道。

違う文化圏の人に接する際に気をつけることで英語の使用にちなんだことを探せばいい。

・標識や案内板の表示は、日本語だけでなく外国語も書き添える。
・日本語で会話しきれない部分に英語を交えてもいいから、とにかくきちんと説明してもらう。
・遠慮せずに、不審に思った部分は尋ねる。
・日本語会話の美徳は捨て、はっきり意見する。希望は伝える。要望は真摯に受け止める。

他にもぼろぼろ出てくるはず。
その中から1個選んでなにがダメでどうしたらよくて、どうなるのが望ましいか等をお決まりの段落分けに嵌め込んで書けばいいだけ。
600字も800字もあっという間だ。

おいしい鍋を作るには と訊かれたら、
出汁とか、材料とか、作り方とか、
ポイントを選んで、そのコツを教えてほしいのだ。



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